観葉植物として人気のシェフレラとカポック。店頭で並んでいるのを見て、同じ植物なのかな、と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本ではシェフレラのことをカポックと呼ぶことが多く、その表記を見て混乱してしまう方もいるかもしれません。しかし、この二つは、本来は異なる植物であり、それぞれに明確な特徴があります。ホンコンカポックとシェフレラの違いは何ですか?そう検索した皆さんの疑問を解消するため、この記事ではそれぞれの植物が持つ違いを詳しく解説していきます。
- シェフレラとカポックの植物学的な違い
- 見た目や特徴による見分け方
- 日本での呼び名の背景と理由
- シェフレラを育てる上での大切なポイント
シェフレラとホンコンカポック、その違いを徹底解説
- ホンコンカポックとシェフレラの違いは何ですか?
- 学名と属は全く別物
- 原産地が示す植物の歴史
- 豊富な品種数に見る多様性
- 葉の形で見分けるポイント
- 樹形から分かる成長の違い
- 日本で混同される理由とは
ホンコンカポックとシェフレラの違いは何ですか?
観葉植物として親しまれているシェフレラとホンコンカポックですが、日本では同じように扱われることが多いため、明確な違いがわからないと感じる方もいるようです。しかし、これらの植物は学術的には異なる分類に属しています。シェフレラはウコギ科シェフレラ属に分類される植物の総称であり、一方でカポックはアオイ科セイバ属のパンヤノキを指します。つまり、植物の分類上は全く別の種類なのです。このように、一般に「カポック」と呼ばれている観葉植物の多くは、実はシェフレラの一種であることが多いです。
学名と属は全く別物
シェフレラの学名は「Schefflera(シェフレラ属)」であり、多種多様な植物が含まれています。一方、カポックの学名は「Ceiba pentandra(セイバ属)」です。セイバ属に属する植物は10種程度と、シェフレラ属の200種以上に比べると非常に少ないです。本来、カポックという名称はアオイ科セイバ属のパンヤノキを指すもので、主に熱帯地域に自生する高木です。日本で「カポック」として流通しているものの多くは、実際には「シェフレラ・アルボリコラ」、通称ホンコンカポックと呼ばれる種類のシェフレラを指しているのが現状です。
原産地が示す植物の歴史
シェフレラの原産地は、主に南太平洋の島々に分布しています。比較的新しい時期に園芸植物として取り入れられ、1970年代以降に観葉植物として人気を博しました。一方、本来のカポックは熱帯アメリカや熱帯アフリカが原産です。古くからその果実から採れる綿毛が産業利用されてきた歴史があり、綿花の代替品としても栽培されていました。このように、両者は原産地もその利用の歴史も大きく異なっています。
豊富な品種数に見る多様性
シェフレラは、非常に多くの園芸品種が存在する点が特徴です。葉の形や色、斑入りの模様など、バリエーションが豊富で、観葉植物としての選択肢が幅広いです。代表的な品種には、ホンコンカポック、アンガス・ティフォリア、ゴールド・カペラなどがあります。多くの品種が開発されており、それぞれの魅力を持っています。一方で、本来のカポックは園芸品種が少なく、市場に流通しているもののほとんどが原種のままです。観葉植物としてのカポックの需要は、シェフレラほど高くない傾向が見られます。
葉の形で見分けるポイント
シェフレラとカポックの最も分かりやすい違いの一つは、葉の形にあります。シェフレラの葉は、長い葉柄の先に5枚から11枚の小葉が放射状に広がってつくのが特徴です。小葉の形はハート型、卵型、掌状など多様なバリエーションが見られます。全体的には、小葉が多く、すっきりとした印象を与えます。一方、カポックの葉は、1箇所から5枚から9枚の小葉が葉柄の先端から放射状に伸びます。シェフレラと比較すると、小葉の枚数が少なく、より幅広でずっしりとした印象を受けるでしょう。この葉の細かな違いに注目することで、店頭でどちらの植物なのかを見分ける手がかりとなります。
樹形から分かる成長の違い
シェフレラとカポックは、成長した際の樹形にも明確な違いが見られます。一般的に観葉植物として流通しているシェフレラは、株立ちで横に広がるタイプが多いです。シェフレラ・アクチノフィラのように直立する品種もありますが、全体的にはコンパクトな印象を与えます。そのため、室内の限られたスペースでも育てやすいのがメリットです。一方で、本来のカポックは、1本の幹が真っ直ぐに伸び、木の上部で枝が大きく広がる高木です。自然界では高さが20メートルにも達する巨大な木に成長します。観葉植物として販売されているカポックは、通常、株仕立てで小さく育てられたものがほとんどですが、本来のスケール感は大きく異なります。
日本で混同される理由とは
日本国内において、シェフレラが「カポック」や「ホンコンカポック」と呼ばれて流通しているのには、歴史的な経緯があります。南米原産の大型樹木であるカポックの葉の形が、日本に輸入されてきたシェフレラの葉とよく似ていたため、当初は同一種だと誤解されたようです。名称がシェフレラと是正された後も、観葉植物の流通現場では「カポック」という呼び名が定着してしまい、現在に至るまで使われ続けています。これは日本特有の現象であり、海外ではシェフレラは迷わずシェフレラと呼ばれています。このような背景があるため、多くの人がシェフレラとカポックの違いについて疑問を抱くことになったと考えられます。
シェフレラとホンコンカポック、正しい知識で育てる
- シェフレラの基本情報と分類
- 人気のシェフレラ品種を紹介
- シェフレラ育成に適した明るさ
- 温度管理で元気に育てる
- 風通しの良い環境が重要
- シェフレラとホンコンカポックの違いまとめ
シェフレラの基本情報と分類
シェフレラは、ウコギ科シェフレラ属に分類される植物です。温帯から熱帯にかけて広く自生しており、その環境適応能力の高さから観葉植物として世界中で親しまれています。代表的な品種としては、葉先が丸い特徴を持つホンコンカポックが挙げられます。近年では、葉先が尖ったシェフレラ・コンパクタのようなスタイリッシュな品種も評価されており、インテリアグリーンとして多くの場所で用いられるようになりました。シェフレラはその美しい葉姿だけでなく、比較的育てやすい点も人気の理由の一つです。
人気のシェフレラ品種を紹介
シェフレラには600種を超える非常に多くの品種が存在すると言われています。その中でも特に広く親しまれているのが、シェフレラの原種ともいえるシェフレラ・アルボリコラです。
この品種は、厚みと長さのある美しい緑色の葉を持ち、存在感があります。アルボリコラを基に多くの園芸品種が誕生しており、例えば葉に斑模様が入ったシェフレラ・アルボリコラ・バリエガータや、葉柄が短くアヒルの足を思わせるシェフレラ・ホンコンカポックなどがあります。
他にも、ホンコンカポックの葉をさらにコンパクトに改良したシェフレラ・ホンコン・コンパクタ、
笹に似た細長い葉を広げるシェフレラ・ルフィーナ
葉の先端に桜の花びらのような切れ目が入ったシェフレラ・レナータ、
そして葉に大きく黄色の斑が入るシェフレラ・ハッピーイエローなど、
個性豊かな品種が揃っています。このように、シェフレラは多様な葉の形や色を持つため、好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。
シェフレラ育成に適した明るさ
シェフレラを元気に育てる上で、適切な明るさは非常に大切な要素です。理想的な環境は、「直射日光の当たらない明るい室内」であると考えられます。これは多くの観葉植物が得意とする環境であり、すでに他の観葉植物が元気に育っている場所であれば、シェフレラも健やかに成長してくれるでしょう。完全に日光が当たらない場所でも、室内の照明の明るさで一時的に維持できることもありますが、理想としては日に3〜4時間程度、自然光に触れさせてあげるのが良いとされています。明るい場所を好む一方で、長時間直射日光に当たると葉が変色してしまう「葉焼け」を起こしやすいので、特に夏の強い日差しには注意が必要です。
温度管理で元気に育てる
シェフレラは熱帯原産の植物ですが、ある程度の寒さにも耐えることができます。15℃以上の環境であれば活発に活動し、健康に成長しやすいです。しかし、5℃を下回るような低温環境では、みるみるうちに元気がなくなってしまいます。このような寒い環境では、水やりをしても十分に水を吸い上げることができず、根が傷んで枯れてしまう危険性もあります。そのため、冬支度の際にはシェフレラも、冷え込みやすい窓際などは避け、暖かいお部屋の中へ移動させることを忘れないでください。夜間の冷え込みにも注意し、安定した温度を保つことが大切です。
風通しの良い環境が重要
シェフレラは、風通しの良い場所でより元気に育つ傾向があります。お部屋の空気をこまめに換気することで、シェフレラもリフレッシュし、健康を保つことができます。換気は、植物の生育にとって非常に重要であり、空気の滞留を防ぐことで、カビや菌、害虫の繁殖を抑える効果も期待できます。特に、冬場など窓を閉め切りがちな時期でも、短時間でも良いので定期的に換気を行うことをおすすめします。適切な空気の流れは、根腐れのリスクを減らし、病気の予防にもつながります。
シェフレラとホンコンカポックの違いまとめ
この記事では、観葉植物として親しまれるシェフレラとホンコンカポックの違いについて解説しました。

- シェフレラとカポックは植物分類学上は全く異なる植物です
- シェフレラはウコギ科シェフレラ属に分類されます
- 本来のカポックはアオイ科セイバ属のパンヤノキを指します
- 日本ではシェフレラの一種が「ホンコンカポック」として流通しています
- これは見た目が似ていたことから生じた誤解が原因です
- シェフレラの原産地は南太平洋の島々です
- 本来のカポックは熱帯アメリカやアフリカが原産です
- シェフレラには多くの園芸品種が存在します
- カポックの園芸品種は少ないです
- シェフレラの葉は小葉が多くすらりとした印象です
- カポックの葉は小葉が少なく幅広でずっしりとした印象です
- シェフレラは株立ちで横に広がるタイプが多いです
- 本来のカポックは一本の幹が伸びる高木です
- シェフレラは明るい室内と風通しの良い環境を好みます
- シェフレラは15℃以上の環境で活発に成長します
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