涼しげな姿と育てやすさから、インテリアとして人気の高いテーブルヤシ。かわいらしいテーブルヤシを増やして、家の中をもっとグリーンでいっぱいにしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、「観葉植物を増やしたことがないから失敗したらどうしよう」「増やし方が分からない」といった不安を持つ人もいるかもしれません。結論から申し上げますと、テーブルヤシの増やし方はとても簡単で、初心者でも失敗することなく楽しめます。今回ご紹介するテーブルヤシの増やし方は、初心者の方でも挑戦しやすいテーブルヤシ 株分けという手法です。この記事では、テーブルヤシを増やすために必要な準備から、失敗しないためのコツまで詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、テーブルヤシの増やし方について、以下のようなことが分かります。
- テーブルヤシを増やす最適な時期と方法
- 株分けの際に必要な道具や手順
- 株分け後の管理のポイント
- 元気がない時の原因と対処法
初心者でも簡単!テーブルヤシの増やし方
- テーブルヤシは株分けで増やせる
- 株分けするメリットと増やせない理由
- 株分けに適切な時期を見極めるサイン
- 失敗しない株分けの準備と方法
- 株分け後の水やりと置き場所
テーブルヤシは株分けで増やせる
テーブルヤシは、大きく育った根を分割してそれぞれを植え付ける「株分け」という方法で増やすことが可能です。この手法は比較的簡単にでき、見た目が大きく変わらないため、鑑賞できる状態になるまでの期間が短くて済みます。
観葉植物を増やす方法には、他に「挿し木」という手法もありますが、テーブルヤシをはじめとするヤシ科の植物は、この方法で増やすことができません。その理由は、新しい葉が茎の内側から生えてくるという成長の仕方にあります。茎をむやみに切ってしまうと、枯れてしまう恐れがあります。そのため、ヤシ科の観葉植物は土中の根を割って増やす株分けが最適な方法となります。

株分けするメリットと増やせない理由
テーブルヤシを株分けするメリットは主に二つ挙げられます。一つは、根が密集するのを防いでくれることです。根が密集すると、風通しや水はけが悪くなり、病害虫の原因となる可能性があります。また、根が酸素不足になり、生育が悪くなることも考えられます。株分けをすることで、根に十分なスペースが生まれ、新たな成長を促すことが可能です。
もう一つのメリットは、今後の手入れが比較的簡単になることです。株分けをせずに大きく育ちすぎた観葉植物は、手入れが大変になることが予想されます。しかし、株分けをすれば植物をコンパクトに保てるので、管理が楽になります。加えて、分けた株は家族や友人にプレゼントすることもできるため、喜ばれるでしょう。
前述の通り、テーブルヤシは挿し木で増やすことができません。これは、ヤシ科の観葉植物の成長点が一つの幹に集中しているためで、茎を途中で切ると新しい葉が出なくなってしまうからです。したがって、テーブルヤシを増やしたいのであれば、必ず株分けという方法を選ぶ必要があります。
株分けに適切な時期を見極めるサイン
株分けの作業自体は難しいことではありませんが、いつ行っても良いというわけではありません。テーブルヤシの株分けは、植物が元気な暖かい時期である5月から9月が適しています。原産地が中南米の暖かい地域であるため、この季節に行えば回復力も強く、株分けによるダメージにも負けずに成長することができます。
株分けのタイミングを間違えると、テーブルヤシの元気がなくなってしまう原因にもなりかねません。テーブルヤシが株分けのタイミングを知らせるサインは主に4つあります。 鉢底から根がたくさん出ている時は、根が密集しすぎている可能性が高いです。また、鉢とテーブルヤシのバランスが悪く転倒の危険がある場合も、株分けを検討する時期です。さらに、土が湿っているのに葉が枯れている場合や、新芽がなかなか出てこない時も、根が栄養を取り合っていたり、酸素不足になっているサインと考えられます。これらのサインに気づき、適切な時期を見極めることが大切です。
失敗しない株分けの準備と方法
テーブルヤシの株分けをスムーズに進めるためには、事前に必要なものを準備しておくことが重要です。新しい用土は、観葉植物用の土2、赤玉土1、鹿沼土1を混ぜ合わせたものがおすすめです。この配合は、水はけがよく、根腐れやコバエの発生リスクを抑えるのに役立ちます。また、鉢穴からの土の流出や害虫の侵入を防ぐ鉢底ネットや、通気性と排水性を良くする鉢底石も忘れずに用意しておきましょう。
株分けの具体的な手順は、まず鉢からテーブルヤシを取り出し、根についている古い土を優しく取り除くことから始めます。すべての土を取り除く必要はなく、大体で問題ありません。その後、できるだけ根を傷つけないように手で優しく株を左右に分割します。固い場合は、清潔なハサミを使って切り分けても大丈夫です。この時、黒ずんで腐っている根があれば、清潔なハサミでカットして整理しておきましょう。元のテーブルヤシの大きさにもよりますが、茎が2〜3本ずつになるように分けるのが目安です。新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石、そして新しい土を1/3程度入れた後、株分けしたテーブルヤシをそれぞれ配置し、さらに土を追加します。最後に鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水やりをすれば、作業は完了です。

株分け後の水やりと置き場所
株分け後の管理は、テーブルヤシの成長を左右する大切なポイントです。株分け直後のテーブルヤシは、根がダメージを受けているため、少し繊細になっています。室内で育てる場合は、株分け後1週間は風通しのよい日陰に置いてあげましょう。いきなり日当たりの良い場所に置くのは禁物です。新しい葉が出てきたら、半日陰やレースカーテン越しの柔らかな日差しが当たる場所に移動させてください。屋外で育てる場合は、強い風に当たらない日陰に置くことが大切です。
水やりは、春から夏の成長期には土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。ただし、真夏の日中に水やりをしてしまうと、鉢の中が高温になって蒸れてしまうため、早朝か夕方にあげるのがおすすめです。一方、秋から冬の休眠期は成長が緩やかになるため、水の吸い上げる力も弱まります。冬場は土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをするなど、やや乾燥気味に管理することが元気に越冬させるコツとなります。

失敗しないテーブルヤシの増やし方のコツ
- 大きくなった株の植え替え方法
- 剪定が必要な場合と手順
- 元気がない時の原因と対処法
- テーブルヤシの植え替え手順
- 初心者でもできるテーブルヤシの増やし方まとめ
大きくなった株の植え替え方法
株分けによって増やしたテーブルヤシが大きく成長したら、植え替えのタイミングが訪れます。年数で言えば、2〜3年に一度は植え替えるのが理想的です。特に5号以下の鉢で育てているテーブルヤシは成長が早いため、1年に一度の植え替えを検討すると良いでしょう。
植え替えに適した時期も、株分けと同様に5月〜9月の暖かい季節です。この時期はテーブルヤシの成長期にあたるので、植え替えによるダメージを最小限に抑え、スムーズに回復させることができます。 植え替えに必要なものは、株をこれ以上大きくしたくない場合は現在と同じ大きさの鉢、これからもっと大きくしたい場合は一回り大きな鉢です。その他には、鉢底ネット、鉢底石、新しい用土、スコップ、レジャーシートまたは新聞紙などを準備しておきましょう。
剪定が必要な場合と手順
テーブルヤシの成長がゆっくりなため、頻繁な剪定は必要ありません。しかし、葉が茂りすぎてバランスが悪くなったり、変色した葉がある場合は剪定が必要です。風通しを良くすることで病害虫の予防にもつながります。
剪定を行う時期も、テーブルヤシへの負担が少ない5月〜9月が適しています。剪定に必要なものは、切れ味の良い剪定ばさみです。剪定の手順は、古く枯れてしまった葉を切り落とすだけです。この際、茎から切ってしまうと、二度と葉は生えてこないので十分に注意してください。テーブルヤシは「単幹」といって、幹が一本だけで枝分かれしない特徴があります。そのため、大きく育ちすぎた株をコンパクトにしたい場合は、成長点の下をカットする必要がありますが、不安であれば茶色くなった葉の部分だけを切り落とすと良いでしょう。

元気がない時の原因と対処法
これまでと同じように管理しているのに、テーブルヤシの元気がないと感じたら、いくつかの原因が考えられます。主な原因は「気温」「日当たり」「水やり」の三つです。
気温が低すぎる
テーブルヤシは5℃以下の寒さが続くと、株の活力が弱まって枯れてしまう可能性があります。冬場は日中に直射日光の当たらない明るい窓辺に置くのが良いですが、夜間は窓から離し、部屋の中央など温度変化の少ない場所に移動させるようにしてください。
葉焼けしている
直射日光はテーブルヤシの葉焼けの原因になります。特に、今まで日陰に置いていた株を急に日当たりの良い場所に移動させると、葉が茶色く変色してしまうことがあるため注意が必要です。テーブルヤシに適した日光量は、日陰やレースカーテン越しの柔らかな日差しだと考えられています。
根腐れしている
水やりの量が多すぎると、特に冬場は根腐れを起こしやすくなります。土が常に湿った状態では、根が呼吸できなくなり、株が弱ってしまいます。冬場はやや乾燥気味に管理し、季節に合わせた水やりを心がけることが大切です。
テーブルヤシの植え替え手順
テーブルヤシを育てる上で、植え替えは重要なメンテナンスです。前述の通り、植え替えには新しい用土を用意し、鉢底ネットと鉢底石を準備します。これらの道具を正しく使うことで、テーブルヤシが健康に育つための環境を整えることができます。
植え替えの手順としては、まず鉢から株を取り出し、根に付いた土を軽く落とします。次に、新しい鉢の鉢底にネットを敷き、鉢底が隠れる程度の鉢底石を入れます。そして、鉢の1/3程度まで新しい用土を入れたら、テーブルヤシをバランスよく配置し、さらに土を追加していきます。鉢のフチから数センチ下まで土を入れたら、最後に鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。この一連の作業は、テーブルヤシが新しい環境で根を張り、元気に育つための基礎となります。
初心者でもできるテーブルヤシの増やし方まとめ
この記事では、テーブルヤシの増やし方について詳しく解説しました。

- テーブルヤシは株分けで簡単に増やせる
- 株分けには根詰まり解消や手入れが簡単になるメリットがある
- 挿し木では増やせないため株分けが唯一の増やす方法
- 株分けは5月〜9月の暖かい時期に行うのが最適
- 鉢底から根が出ている時が株分けのサイン
- 株分け前に新しい用土や鉢底ネットを準備する
- 株分けでは根を優しく手で割るのが基本
- 株分け後は風通しの良い日陰に置く
- 夏場は早朝か夕方に水やりをする
- 冬場は水やりを控えて乾燥気味に管理する
- 元気がない時は気温の低さや水のやりすぎを疑う
- 葉焼けの主な原因は直射日光である
- テーブルヤシの剪定は成長が遅いのであまり必要ない
- 剪定では茎を切らずに伸びた葉だけを切り落とす
- テーブルヤシ増やし方をマスターして観葉植物を増やしてみよう
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