ドラセナの空気清浄効果は本当?NASAも認めた力と育て方

ドラセナ

お部屋にグリーンを取り入れたいと考えたとき、候補に挙がることも多い観葉植物「ドラセナ」。見た目がおしゃれなだけでなく、「空気清浄の効果がある」と耳にしたことはありませんか。しかし、観葉植物は空気をどのようにきれいにするのか、その効果は本当なのか、具体的なところが気になりますよね。

実は、ドラセナの空気清浄パワーは、あのNASAも認めるほどです。宇宙空間での空気清浄技術を研究する中で、ドラセナを含む一部の観葉植物が「エコ・プラント」として、室内の有害物質を吸収・分解する能力を持つことが発見されました。

ドラセナは非常に育てやすい植物ですが、その効果を最大限に引き出し、元気に育てるにはいくつかのポイントがあります。正しい知識がないまま育て始めて、失敗や後悔につながってしまうのは避けたいものです。

この記事では、ドラセナが持つ空気清浄効果の科学的な根拠から、初心者でも失敗しない育て方のコツ、そして空気清浄以外の嬉しいメリットまで、詳しく解説していきます。

  • ドラセナの空気清浄効果の科学的根拠
  • NASAが認めるエコ・プラントとしての実力
  • 初心者でも安心なドラセナの具体的な育て方
  • 空気清浄以外の知られざるメリット

ドラセナの空気清浄効果|NASAも認めたその力

  • シックハウス症候群の原因は室内にあり
  • 観葉植物は空気をどのようにきれいにするのか?
  • NASAが認めた観葉植物「エコ・プラント」
  • 有害物質ホルムアルデヒドの除去効果
  • 植物が放出するフィトケミカルの働き
  • カビの胞子や浮遊菌を抑制する効果

シックハウス症候群の原因は室内にあり

私たちは多くの時間を室内で過ごしますが、実は屋外よりも室内の空気の方が汚れている場合があることをご存じでしょうか。その主な原因の一つが「シックハウス症候群」を引き起こす、目に見えない化学物質の存在です。

これらの有害物質は、建材や家具、壁紙の接着剤、塗料など、私たちの身の回りにある様々なものから発生します。特に、現代の住宅は気密性が高いため、一度発生した有害物質が室内に留まりやすく、知らず知らずのうちに吸い込んでしまう可能性があります。

主な原因物質には以下のようなものがあります。

有害物質主な発生源人体への影響(参考)
ホルムアルデヒド家具、合板、壁紙の接着剤、断熱材目や喉の刺激、頭痛、めまい
トルエン塗料、接着剤、内装材中枢神経への影響、頭痛、倦怠感
キシレン塗料、接着剤、印刷インキ目や皮膚への刺激、吐き気
ベンゼン合成ゴム、合成洗剤、排気ガスめまい、吐き気、長期的には骨髄への影響
アンモニア合成繊維、肥料、人の汗や尿強い刺激臭、目や喉の痛み
トリクロロエチレンドライクリーニング溶剤、塗料除去剤中枢神経への影響、肝臓障害のリスク

このように、清潔にしているつもりの部屋でも、空気は汚染されているかもしれません。そのため、換気はもちろんのこと、室内で空気をきれいにするための対策を考えることが大切になります。

観葉植物は空気をどのようにきれいにするのか?

観葉植物が空気をきれいにする、と聞くと、多くの人は光合成を思い浮かべるかもしれません。光合成は二酸化炭素を吸って酸素を生み出す働きですが、空気清浄のメカニズムはそれだけではありません。

植物による空気浄化の働きは、主に葉、そして根や土の中にいる微生物の共同作業によって行われます。

第一に、植物の葉は、気孔と呼ばれる小さな穴から空気を取り込む際に、ホルムアルデヒドなどの有害物質も一緒に吸収します。吸収された有害物質は、植物自身の代謝活動によって分解され、無害化されるのです。

第二に、さらに重要な役割を担っているのが、植物の根の周辺に共生する微生物たちです。植物が土に落とした有害物質を、これらの微生物が分解し、栄養源として利用します。この働きは、植物と微生物が一体となった、まさに自然の空気清浄システムと言えます。

このように、観葉植物は単に酸素を供給するだけでなく、人体に有害な化学物質を積極的に吸収し、分解する能力を持っています。

NASAが認めた観葉植物「エコ・プラント」

観葉植物の空気清浄効果は、感覚的な話ではなく、科学的な研究によっても裏付けられています。その最も有名な例が、NASA(アメリカ航空宇宙局)による「クリーンエア・スタディ」です。

この研究は、将来の宇宙ステーションや月面基地など、密閉された空間で人が長期間健康に生活するための空気浄化技術を確立する目的で行われました。様々な方法が検討される中で、観葉植物が驚くほど高い空気清浄能力を持つことが発見されたのです。

NASAは、1989年に発表した報告書の中で、特に空気清浄効果の高い50種類の植物をリストアップし、それらを「エコ・プラント」と名付けました。そして、この記事の主役であるドラセナも、そのエコ・プラントのリストに含まれる代表的な植物の一つです。

科学の最先端をいくNASAが認めたという事実は、観葉植物がインテリアとしてだけでなく、機能的な空気清浄機としても有効であることを強く示唆しています。

有害物質ホルムアルデヒドの除去効果

エコ・プラントの中でも、ドラセナは特にシックハウス症候群の主な原因物質であるホルムアルデヒドの除去能力に優れていることで知られています。

前述の通り、ホルムアルデヒドは、新しい家具や建材から放出されることが多く、私たちの生活空間に非常にありふれた有害物質です。ドラセナは、このホルムアルデヒドを葉から吸収し、分解する働きが特に活発であることがNASAの研究で示されました。

お部屋にドラセナを置くことは、化学物質に敏感な方やお子様がいるご家庭にとって、空気環境を改善するための一つの有効なアプローチとなり得ます。空気清浄機のような電気代もかからず、静かに、そして継続的に空気をきれいにしてくれるのは、植物ならではの大きな魅力です。

ホルムアルデヒド以外にも、トルエンやキシレン、アンモニアといった他の有害物質の除去にも効果が期待できるため、ドラセナは総合的な空気の質を向上させる頼もしいパートナーになります。

植物が放出するフィトケミカルの働き

植物の力は、有害な化学物質を吸収するだけにとどまりません。植物は自らを守るために、「フィトケミカル」と呼ばれる様々な化学物質を放出しています。

フィトケミカルは、植物が害虫や病原菌から身を守るための成分で、森林浴で感じる爽やかな香りやリフレッシュ効果の源も、このフィトケミカルの一種である「テルペン類」によるものと考えられています。

このフィトケミカルには、空気中に浮遊するカビの胞子やバクテリアなどの有害な微生物の活動を抑制する働きがあることが分かってきました。つまり、ドラセナを室内に置くことで、フィトケミカルが放出され、部屋の空気が清浄化されるだけでなく、衛生的な環境維持にも貢献してくれるのです。

目に見えない微生物に対する抑制効果は、植物が持つもう一つの優れた空気清浄能力と言えるでしょう。

カビの胞子や浮遊菌を抑制する効果

前述の通り、植物が放出するフィトケミカルには、カビの胞子やバクテリアの増殖を抑制する効果が期待できます。これは、特に湿気がこもりやすい場所や、日当たりの悪い部屋にとって大きなメリットとなります。

空気中に漂うカビの胞子を吸い込むことは、アレルギーや呼吸器系の疾患の原因となる可能性があります。ドラセナがフィトケミカルを放出することで、これらのリスクを低減する手助けをしてくれると考えられます。

ただし、注意点もあります。植物を育てる土自体が、過剰な水やりによって湿った状態が続くと、逆にカビの発生源になってしまうことがあります。これを防ぐためには、土の表面が乾いてから水を与えること、そして鉢の受け皿にたまった水はこまめに捨てることが大切です。

また、部屋の風通しを良くすることも、植物と人間双方の健康にとって有効です。フィトケミカルの効果を活かしつつ、適切な管理を行うことで、よりクリーンな室内環境を目指せます。

ドラセナで空気清浄|育て方とさらなる魅力

  • 嬉しい蒸散による加湿効果
  • 初心者にもおすすめで育てやすい点
  • 元気に育つ日の当たる場所での管理
  • 縁起の良い別名「幸福の木」の由来
  • おしゃれに始めるドラセナの空気清浄生活

嬉しい蒸散による加湿効果

ドラセナは、空気をきれいにするだけでなく、室内の湿度を快適に保つ手助けもしてくれます。これは、植物が根から吸い上げた水を、葉の裏側にある気孔から水蒸気として放出する「蒸散」という働きによるものです。

植物の蒸散は、いわば天然の加湿器のようなものです。特に、エアコンの使用で空気が乾燥しがちな夏や冬には、この効果が大きなメリットとなります。乾燥は、肌や喉の不調、さらにはウイルスの活性化にもつながるため、適度な湿度を保つことは健康維持に欠かせません。

研究によれば、観葉植物を置くことで、室内の湿度を人体にとって快適とされる50~60%に近づける効果が期待できるとされています。電気を使わずに優しく部屋の湿度を上げてくれるドラセナは、エコロジカルで健康的なライフスタイルにぴったりの存在です。

初心者にもおすすめで育てやすい点

多くのメリットを持つドラセナですが、その最大の魅力の一つは、観葉植物の中でも特に丈夫で育てやすいことです。植物を育てた経験があまりない方や、忙しくてこまめな手入れが難しいという方でも、安心して始めることができます。

ドラセナが育てやすい理由はいくつかあります。

乾燥に強い

原産地がアフリカなどの乾燥した地域であるため、多少水やりを忘れても枯れにくい性質を持っています。土が常に湿っている状態を嫌うため、むしろ少し乾かし気味に管理するくらいが丁度良いのです。

耐陰性がある

明るい場所を好みますが、比較的日陰にも強いため、置き場所の選択肢が広いのも特徴です。もちろん、全く光が当たらない場所では元気に育ちませんが、リビングやオフィスの明るい室内であれば問題なく育てられます。

これらの性質から、ドラセナは「観葉植物を始めてみたいけれど、すぐに枯らしてしまわないか心配」という方の入門編として、非常におすすめできる植物です。

元気に育つ日の当たる場所での管理

ドラセナは育てやすい植物ですが、より元気に成長させ、空気清浄効果を最大限に引き出すためには、置き場所が鍵となります。

最適な場所

ドラセナが最も好むのは、直射日光を避けた明るい場所です。強い日差しに直接当たると「葉焼け」を起こし、葉が茶色く変色してしまうことがあります。そのため、レースのカーテン越しに柔らかい光が入る窓辺などが理想的な環境です。

耐陰性について

前述の通り、ドラセナにはある程度の耐陰性がありますが、これは「暗い場所でも枯れずに耐えられる」という意味合いが強いです。長期間、光が不足すると、葉の色つやが悪くなったり、ひょろひょろと弱々しく育ったり(徒長)、空気清浄能力も低下してしまいます。

可能であれば、週に4〜5日、1日に5時間程度は明るい場所に置いてあげると、健康な状態を維持しやすくなります。もし日当たりの良い場所が確保できない場合は、定期的に日光浴をさせてあげるのも良い方法です。

縁起の良い別名「幸福の木」の由来

ドラセナは、その学名とは別に「幸福の木」という愛称で広く親しまれています。この縁起の良い名前は、ハワイにおける言い伝えに由来します。

古くからハワイでは、家の前にドラセナを置くと良い運気が舞い込み、幸福が訪れると信じられてきました。この素敵な言い伝えが世界中に広まり、ドラセナは幸福を象徴する植物として愛されるようになったのです。

また、ドラセナには「幸福」「真実」「長寿」「永遠の愛」といった、ポジティブな花言葉がたくさんあります。これらの背景から、新築祝いや開店祝い、結婚祝いなど、大切な人への門出を祝う贈り物としても非常に人気があります。

ただお部屋を飾るだけでなく、幸せを運んできてくれるかもしれないというストーリーは、ドラセナを育てる楽しみを一層深めてくれるでしょう。

おしゃれに始めるドラセナの空気清浄生活

この記事を通じて、ドラセナが持つ多面的な魅力について解説してきました。最後に、ドラセナを取り入れた空気清浄生活のポイントをまとめます。

  • 室内の空気は建材などから出る化学物質で意外と汚れている
  • シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどが浮遊
  • 植物は光合成や根の微生物の働きで空気をきれいにする
  • NASAはドラセナを空気清浄効果の高いエコ・プラントと認定
  • ドラセナは特にホルムアルデヒドの除去能力に優れる
  • 植物が放出するフィトケミカルがカビや浮遊菌を抑制
  • 葉から水分を放出する蒸散作用で天然の加湿器にもなる
  • 乾燥に強く水やりの頻度が少なく済むため管理が楽
  • 比較的日陰にも強く置き場所を選びやすい
  • 以上の理由から観葉植物の初心者にもおすすめ
  • 元気に育てるにはレースカーテン越しの明るい場所が最適
  • 強い直射日光は葉焼けの原因になるため避ける
  • ハワイの言い伝えから「幸福の木」という別名を持つ
  • 「幸福」「長寿」などの花言葉から贈り物にも人気
  • 空気清浄と素敵なインテリアを両立できる



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