植物を部屋に迎えたいと思っていても、育てられるか不安で、なかなか最初の一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。しかし、初心者向けの観葉植物として知られるテーブルヤシは、育て方さえ押さえておけば失敗や後悔をすることなく、安心して育てることができます。この記事では、そんなテーブルヤシの育て方や日々の管理方法、よくある質問までを詳しく解説していきます。
- テーブルヤシの基本的な特徴
- テーブルヤシを元気に育てるためのポイント
- 剪定や害虫対策などの日々の管理方法
- 初心者でも安心して育てられる理由
テーブルヤシの育てやすさは初心者にもおすすめ
- テーブルヤシはどんな植物?
- 置き場所と日当たり
- 温度管理
- 水やり頻度
- 肥料の与え方
テーブルヤシはどんな植物?
テーブルヤシは、ヤシ科の常緑低木で、中南米の標高の高い森に自生しています。その名前の通り、テーブルやオフィスの机にも置ける小型のヤシとして親しまれています。一般的に流通しているのは高さ10cmから50cm程度ですが、大きくなると2〜3mにも生長することがあります。
テーブルヤシの別名は「parlor palm」です。parlorは「居間」、palmは「ヤシ」を意味します。室内で育てるのに適した小型のヤシという意味が込められているのです。成長スピードが遅く、耐陰性があるため、徒長もしにくく、室内のインテリアグリーンとして扱いやすいのが特徴です。また、病気にもかかりにくいので、初めて植物を育てる方にも向いています。

テーブルヤシの置き場所と日当たり
テーブルヤシは日光を好む植物です。しかし、直射日光は葉焼けの原因になるため、屋外で育てる場合は、カーテン越しの窓際や明るい日陰に置くようにしてください。
耐陰性があるため、多少暗い場所でも育ちますが、あまりに暗すぎると葉の色が悪くなったり、株の姿が貧弱になったりします。そのため、室内の窓際で管理することをおすすめします。もし、直射日光が当たる場合は、レースのカーテンで光を和らげてあげると良いでしょう。
テーブルヤシの温度管理
テーブルヤシは、自生地が標高の高い森であることから、ヤシの仲間にしては寒さに強いという特徴があります。しかし、最低でも5℃以上の環境をキープして育てる必要があります。
屋外で育てることも可能ですが、気温が下がる秋には室内へ移動させなければなりません。しかし、室内と屋外を行ったり来たりさせるのは、紫外線量の急激な変化により植物にストレスがかかってしまい、生育に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、一年を通して室内の明るい窓際で育てるのが最も安全な方法です。
冬の窓際は、屋外と変わらないくらいに冷え込むことがあります。テーブルヤシが寒さで弱ってしまうことがあるため、冬場は窓から少し離した場所に移動させて管理すると良いでしょう。
テーブルヤシの水やり頻度

テーブルヤシは、多湿を好む植物です。そのため、水やりは土の表面が乾いたタイミングでしっかりと行うことが大切です。特に夏の生育期は、土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをしてください。この時期に水切れを起こしてしまうと、葉の先端が枯れてしまう原因になります。
水やり後は、受け皿に溜まった水をこまめに捨てることが重要です。鉢皿に水が溜まったままだと根腐れの原因になります。気温が下がる秋以降は、土の乾き具合を見ながら徐々に水やりの量を控えていきましょう。
冬は休眠期間に入るので、土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをしてください。土が乾燥気味になることで、テーブルヤシは寒さに強い株になります。また、冬は空気が乾燥しやすいので、こまめに霧吹きで葉水を与えることで葉が傷むのを防ぎ、ハダニなどの害虫予防にもつながります。葉が下向きにしおれている場合は、明確な水不足のサインなので、水やりをしてください。
テーブルヤシの肥料の与え方
テーブルヤシは、植え替えの際にゆっくりと効果が持続する緩効性肥料を土に混ぜ込んでおけば、それだけで十分です。もし、植え替え時に肥料を混ぜ込んでいない場合は、置き肥や液体肥料を与えると良いでしょう。
生育期にあたる5月から10月にかけて、2ヶ月に1回程度置き肥を置くか、水で薄めた液体肥料を2週間に1回程度のペースで、水やりの代わりとして与えてください。ただし、肥料の与えすぎは根を傷める原因になります。冬場に肥料を与えてしまうと、根が傷む可能性があるので、土の上の置き肥は取り除き、液体肥料を与えるのもやめましょう。
テーブルヤシの育てやすさのポイントは?
- テーブルヤシの剪定方法
- テーブルヤシの増やし方と注意点
- テーブルヤシの病気と害虫について
- 風水効果も期待できるテーブルヤシ
- テーブルヤシの育て方に関するQ&A
テーブルヤシの剪定方法

テーブルヤシの剪定時期は、生育期にあたる5月から10月が適しています。風通しを良くするために、茂りすぎている葉や茶色く枯れてしまった葉を剪定しましょう。
ただし、ヤシ科の植物は、他の観葉植物のように剪定した枝の下から新芽が出てくるわけではありません。茎の内側にある生長点から新芽が出てくるので、葉だけを剪定することが重要です。
もし、テーブルヤシが茂りすぎたからといって根元を剪定してしまうと、生長点まで切ってしまうことになります。その結果、新芽が出なくなり、枯れてしまう恐れがありますので注意してください。
テーブルヤシの増やし方と注意点
テーブルヤシは種まきや株分け、挿し木で増やすことができます。株分けは、鉢からテーブルヤシを抜き取り、土を落として根が絡まないように優しくほぐすことで行います。親株から子株を切り離し、それぞれを新しい鉢に植え付ければ増やすことができます。
注意点として、株分けは親株と子株の両方に負担がかかるため、根を傷つけないように慎重に行う必要があります。挿し木は、テーブルヤシの茎を切り、新しい土に挿す方法です。種まきは、テーブルヤシの種をまいて発芽させる方法ですが、種を入手することが難しいかもしれません。これらの方法を試す際は、植物にストレスを与えないように、生育期の暖かい時期に行うことをおすすめします。

テーブルヤシの病気と害虫について
テーブルヤシは比較的病気にかかりにくい植物ですが、害虫には注意が必要です。特に乾燥した環境では、ハダニやアブラムシが発生しやすくなります。
ハダニは、葉の裏について植物の栄養を吸い取り、生育を妨げます。発生すると葉のツヤが悪くなったり、白い斑点ができたりします。アブラムシは、新芽や茎に群生し、植物の汁を吸って弱らせます。
これらの害虫の予防には、こまめな葉水が効果的です。葉に霧吹きで水をかけることで、葉の表面についたホコリを落とし、害虫が嫌う多湿な環境を作ることができます。また、発見した場合は、水で洗い流すか、園芸用の殺虫剤を使用して早めに対処してください。
風水効果も期待できるテーブルヤシ
テーブルヤシは風水の観点からも良い効果をもたらすとされています。風水では、細くて尖った葉を持つ植物は、鋭い気を発し、仕事運や勉強運を高める効果があると考えられています。
たとえば、書斎や仕事机の上に置くことで、集中力を高め、やる気を引き出す効果が期待できます。また、「あなたを見守る」という花言葉も持っているので、仕事や勉強を頑張る人へのプレゼントにもぴったりです。
テーブルヤシの育て方に関するQ&A
テーブルヤシを育てる上でよく聞かれる質問とその回答をまとめました。
- 葉先が枯れるのはなぜ? 葉先が枯れる主な原因は、水切れです。水やりの回数が不足していたり、葉水が足りていなかったりすると、乾燥によって葉先が枯れてしまいます。生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、定期的に葉水を与えることで改善できます。
- 土の表面にカビが生えた場合はどうすればいい? 土の表面にカビが生えるのは、風通しが悪く、土が常に湿っていることが原因です。カビが生えた部分は取り除き、風通しの良い場所に移動させましょう。また、水やりの頻度を減らし、土がしっかりと乾いてから次回の水やりを行うようにしてください。
- 植え替えはどのくらいの頻度で必要? テーブルヤシの植え替えは、2年に1回程度が目安です。鉢底から根が出てきたり、水やりの際に水の吸い込みが悪くなってきたら植え替えのサインです。根詰まりを起こすと、生育が悪くなるため、適切なタイミングで植え替えをしましょう。
テーブルヤシの育てやすさを知って元気に育てよう
この記事では、テーブルヤシの基本的な育て方や管理方法について解説してきました。

- テーブルヤシは初めてでも育てやすい植物
- 置き場所は直射日光を避けた明るい場所が最適
- 冬は最低5℃以上をキープする
- 水やりは春夏は土が乾いたらたっぷりと与える
- 冬は乾燥気味に育てると管理しやすい
- 肥料は生育期のみ与える
- 剪定は枯れた葉や茂った葉を剪定する
- 葉の根元を切ると枯れる可能性があるため注意が必要
- 病気にはかかりにくいが害虫には注意が必要
- こまめな葉水が害虫予防につながる
- 風水効果も期待できる
- 植え替えの頻度は2年に1回が目安
- 水切れや根腐れに注意する
- 株分けや挿し木で増やすことが可能
- 花言葉は「あなたを見守る」
コメント