ドラセナが大きくなるときの育て方|剪定や手入れのコツ

ドラセナ

お部屋のインテリアグリーンとして人気のドラセナ。ぐんぐん育つ姿は嬉しいものですが、「このままどこまで大きくなるのだろう」と気になったことはありませんか。 愛着のあるドラセナだからこそ、いったい何年もつのか、また、もしドラセナの伸びすぎたらどうすればいいのか、といった疑問や不安を感じている方もいるかもしれません。

この記事では、ドラセナが大きくなる特性を踏まえ、適切な剪定方法や日々の手入れ、さらには剪定した枝を使った増やし方まで、長く美しく楽しむための知識を総合的に解説します。

  • ドラセナが本来持つ寿命と成長のポテンシャル
  • 大きくなりすぎたドラセナを整える剪定の方法とコツ
  • 剪定後の弱った株を回復させるための適切なケア
  • 剪定で切り取った枝を再利用して新しい株を育てる方法

ドラセナは大きくなる?幸福の木の基本情報

  • 幸福の木と呼ばれるドラセナの基本
  • 幸福の木ドラセナは何年もつ?
  • 生育期に合わせた水やりと肥料が重要
  • 珍しい花が咲いた時の花芽の剪定

幸福の木と呼ばれるドラセナの基本

ドラセナは、熱帯アフリカなどを原産とする常緑樹で、インテリアグリーンとして非常に人気の高い観葉植物です。その縁起の良さから「幸福の木」という愛称でも親しまれており、お祝いの贈り物としても選ばれることがあります。

品種は50種類以上存在し、葉の色や形も様々です。本来は非常に長寿な植物で、原産地では樹齢が1000年を超えるものもあると言われています。日本の室内環境でも、適切な手入れをすれば長く付き合っていける丈夫さも魅力の一つです。

幸福の木ドラセナは何年もつ?

ドラセナの寿命は、育てる環境や品種によって変わりますが、一般的な室内での栽培であれば10年以上、適切な環境を整えれば20年以上元気に育つことも珍しくありません。

長生きさせるためには、生育環境が鍵となります。特に、日光、水、温度のバランスが大切です。生育期にしっかり成長させ、休眠期には適切に休ませるというサイクルを整えることで、株が健康に保たれ、結果として寿命を延ばすことにつながります。日々の少しの気配りが、ドラセナとの長い暮らしを実現させます。

生育期に合わせた水やりと肥料が重要

ドラセナが大きく成長する春から秋にかけての生育期には、適切な水やりと肥料が欠かせません。この時期の管理が、健康な株を育てる上で非常に大切になります。

水やりの基本

水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるため必ず捨ててください。逆に、冬の休眠期は成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らし、土が乾いてから数日待ってから与えるくらいで十分です。

肥料の与え方

肥料は、生育期である5月から9月頃にかけて施します。緩やかに効果が続く「緩効性固形肥料」を2ヶ月に1回程度、土の上に置くのが基本です。それに加えて、即効性のある「液体肥料」を10日~2週間に1回のペースで与えると、より生き生きと成長します。ただし、肥料の与えすぎは根を傷める原因にもなるため、規定の量を守るようにしましょう。冬場は肥料を与える必要はありません。

季節水やり肥料
春~秋 (生育期)土の表面が乾いたらたっぷり緩効性肥料を2ヶ月に1回、液体肥料を2週間に1回
冬 (休眠期)土が乾いてから2~3日後に少量基本的に不要

珍しい花が咲いた時の花芽の剪定

ドラセナは、条件が整うと稀に白い花や赤い花を咲かせることがあります。数十年に一度しか咲かないとも言われるほど珍しく、見ることができたら幸運の証とも言われますが、注意点もあります。

開花には非常に多くのエネルギーを消費するため、花を咲かせたままにしておくと、株全体の元気がなくなり、弱ってしまう可能性があります。もし、ドラセナ本体を長く健康に育てたいと考えるのであれば、もったいないと感じるかもしれませんが、花芽のうちに根元から清潔なハサミで切り取るのがおすすめです。

花芽を剪定した後は、株が体力を消耗している状態です。そのため、液体肥料などを与えて栄養を補給してあげると、回復がスムーズに進みます。

ドラセナが大きくなるときの剪定と手入れ

  • ドラセナの伸びすぎたらどうすればいい?
  • 形を整える切り戻し剪定のメリット
  • 清潔なハサミで行う剪定の基本
  • 剪定後の切り口ケアと管理のポイント
  • 切り取った枝は挿し木で増やせる
  • 初心者でも簡単な挿し木の手順
  • ドラセナが大きくなるのを楽しむ育て方

ドラセナの伸びすぎたらどうすればいい?

ドラセナが天井に届くほど伸びすぎたり、形が崩れたりした場合は、剪定で大きさを調整できます。どこを切ればよいか迷うかもしれませんが、基本的にはご自身の好きな高さで茎をカットして問題ありません。

ポイントは、剪定後に切り口の少し下から新しい芽が出てくることを考慮し、理想とする高さよりも少し短めに切ることです。こうすることで、新芽が伸びてきたときに、ちょうど良い樹形になります。思い切って切ることに不安を感じるかもしれませんが、生命力の強いドラセナはしっかり再生してくれるので、安心してチャレンジしてみてください。

形を整える切り戻し剪定のメリット

伸びすぎた枝や茎を途中で切り、株全体を短くする「切り戻し剪定」には、見た目を整える以外にも大切なメリットがあります。

第一に、樹形が美しくなることです。上へ上へと伸びてアンバランスになった姿をリセットし、再びまとまりのあるインテリアグリーンとして楽しめます。

第二に、病害虫の予防につながることです。枝や葉が密集していると、内部の風通しが悪くなり、湿気がこもって病気や害虫が発生しやすくなります。不要な枝葉を取り除くことで、株全体の通気性が向上し、健康な状態を維持しやすくなるのです。弱ってしまった株を元気にする効果も期待できます。

清潔なハサミで行う剪定の基本

ドラセナの剪定を始める前に、必ず剪定バサミを清潔な状態にしてください。汚れたハサミを使うと、切り口から細菌が侵入し、株が病気にかかってしまう恐れがあるからです。これは人間にとっての外科手術で、清潔な器具を使うのと同じ理由です。

ハサミの消毒は、家庭にあるもので簡単に行えます。中性洗剤で丁寧に洗浄する方法や、熱湯をかけて消毒する方法が手軽です。また、ドラッグストアなどで手に入る消毒用エタノールスプレーを吹きかけるのも効果的です。この一手間が、剪定後のドラセナを健やかに保つための重要なポイントになります。

剪定後の切り口ケアと管理のポイント

剪定を終えた後のドラセナは、人間で言えば手術後のデリケートな状態です。特に、大きな茎を切った場合は、切り口のケアがその後の回復を大きく左右します。

切り口の保護

切り口をそのままにしておくと、水分が蒸発して乾燥したり、そこから雑菌が侵入したりする可能性があります。これを防ぐため、園芸店やホームセンターで販売されている「癒合剤(ゆごうざい)」を切り口に塗布することをおすすめします。「トップジンMペースト」などが代表的な商品です。癒合剤が手元にない場合は、アルミホイルで切り口を覆っておくだけでも乾燥防止に役立ちます。



剪定後の管理場所

ケアを終えたドラセナは、日当たりと風通しの良い場所に置いて静かに回復を待ちましょう。ただし、剪定直後は株が弱っているため、夏の強い直射日光は避けて、レースのカーテン越しの柔らかな光が当たる場所が理想的です。新しい芽が出てくるまでは、特に注意深く様子を見てあげてください。

切り取った枝は挿し木で増やせる

剪定で切り取った枝は、捨てずに「挿し木」という方法で新しい株として育てられます。生命力が旺盛なドラセナは、挿し木での成功率も比較的高く、初心者でも気軽に挑戦できます。

剪定というメンテナンス作業が、お気に入りの観葉植物を増やす機会にもなるのは、大きな魅力と言えます。一つの株から新しい命が育っていく過程は、植物を育てる楽しみを一層深めてくれるでしょう。次の項目で、具体的な挿し木の手順を紹介します。

初心者でも簡単な挿し木の手順

挿し木は、剪定や植え替えと同じく、気候が温暖な5月中旬から7月頃に行うのが最も成功しやすい時期です。

準備するもの

  • 剪定で切った茎(10~20cm程度の長さ)
  • 小さめの鉢(育苗ポット)
  • 清潔な観葉植物用、または挿し木用の土
  • コップなどの容器
  • (あれば)発根促進剤

挿し木の手順

  1. 挿し穂の準備: 剪定した茎を10~20cmの長さにカットします。下の切り口は、水を吸い上げる面積が広くなるように斜めに切るのがコツです。下のほうについている葉は取り除いておきます。
  2. 水揚げ: 切り口を下に向け、コップなどに入れた水に数時間浸けておきます。このとき、発根促進剤(メネデールなど)を水に混ぜておくと、成功率がさらに上がります。
  3. 土に挿す: 準備した鉢に土を入れ、あらかじめ指や棒で穴をあけておきます。そこに、水揚げした茎を半分ほどの深さまで優しく挿し込みます。
  4. 管理: 土を軽く手で押さえて茎を安定させたら、たっぷりと水を与えます。その後は、新芽が出るまで土が乾燥しないように注意しながら、半日陰で風通しの良い場所に置いて管理します。
  5. 植え替え: 1ヶ月ほどで発根し、新しい芽が出てきたら、一回り大きな鉢に植え替えて完了です。

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ドラセナが大きくなるのを楽しむ育て方

この記事では、大きくなるドラセナとの上手な付き合い方について解説してきました。最後に、大切なポイントをまとめます。

  • ドラセナは幸福の木と呼ばれる縁起の良い観葉植物
  • 適切な環境で育てれば20年以上生きることも可能
  • 大きく成長する春から秋の生育期が手入れの鍵
  • 生育期の水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと
  • 肥料は生育期に緩効性と液体肥料を使い分ける
  • 冬は水やりを控えめにし肥料は与えない
  • 稀に咲く花は株を弱らせるため花芽のうちに剪定するのがおすすめ
  • 伸びすぎたら好みの高さで剪定して大きさを調整できる
  • 剪定は樹形を整え病害虫を予防するメリットがある
  • 剪定バサミは細菌感染を防ぐため必ず消毒してから使用する
  • 剪定後の切り口には癒合剤を塗って保護すると安心
  • 剪定後は日当たりと風通しの良い場所で管理する
  • 剪定で切り取った枝は挿し木で新しい株にできる
  • 挿し木は5月から7月頃の暖かい時期が適している
  • 日々の正しい手入れと定期的な剪定で美しく維持できる


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