パキラは生命力が強く、適切に剪定することで、その樹形を整え、病害虫から守り、長く楽しむことができます。パキラを剪定しないとどうなるのか、剪定時の成長点を見極めるポイント、バッサリ丸坊主にしても大丈夫なのか、さらには剪定後の枝を水差しで増やす方法まで、詳しくご紹介していきます。
- パキラ剪定の重要性と時期
- パキラ剪定で注意すべき箇所と方法
- 剪定後の管理方法と増やし方
- 長期間にわたりパキラを楽しむための秘訣
パキラ剪定、失敗しないコツで美観を保つ
- パキラを剪定しないとどうなる?
- 剪定で美観と健康を保つ理由
- パキラ剪定時期と適切な切り方
- パキラ剪定、成長点を残す重要性
- パキラ剪定の必要な道具
パキラを剪定しないとどうなる?
パキラは成長力が旺盛な観葉植物ですが、剪定をせずにそのままにしてしまうと、さまざまな問題が生じる可能性があります。まず、枝葉が不規則に伸びて樹形が崩れ、見た目の美しさが損なわれてしまいます。鑑賞価値の高いパキラであっても、いびつな形では魅力が半減してしまうかもしれません。
また、枝葉が過度に茂ると、株内部の風通しが悪くなります。風通しが悪い状態が続くと、湿気がこもりやすくなり、カビが発生する原因となることもあります。これが病気の発生につながったり、ハダニやカイガラムシといった害虫が繁殖しやすくなったりする要因となります。病害虫は発見が遅れるほど、パキラの健康状態に深刻な影響を与える可能性があります。
さらに、葉が密集することで、日光が全体に行き渡らなくなり、光合成が効率的に行われなくなることも考えられます。これにより、生育不良を引き起こしたり、木全体が枯れてしまったりするリスクが高まります。本来は生命力の強いパキラの健全な成長を妨げないためにも、適切な時期の剪定は欠かせません。
剪定で美観と健康を保つ理由
パキラを剪定する主な目的は、植物の美観を整えることと、その健康状態を維持することにあります。生育期である5月から10月にかけて、パキラは非常に活発に枝葉を伸ばします。この時期に適切な剪定を行わないと、新芽が無秩序に伸びてしまい、元々こんもりと丸い美しい樹形が崩れてしまうことがあります。全体のバランスを見ながら伸びすぎた枝を剪定することで、常に整った美しい姿を保ち、飾る場所にあった形を楽しむことができます。
一方、健康面においては、剪定は病害虫の予防に大きく貢献します。枝葉が密集しすぎると、風通しが悪くなり、湿気が滞留しやすくなります。このような環境は、病気の原因となる菌の繁殖や、ハダニやカイガラムシなどの害虫の発生を招きやすくなります。密集した枝や重なり合った葉を優先的に剪定することで、株内部まで風や光が届くようになり、病原菌が滞留しにくくなりますし、害虫も早期に発見しやすくなります。病害虫は早期発見と対処が鍵となりますので、剪定は非常に大切な管理作業であると言えます。
加えて、剪定には生育不良をリセットする役割もあります。例えば、枝先が枯れてしまったり、葉の色が悪くなったりする生育不良が見られた場合、その部分を剪定して取り除くことで、他の健康な枝葉への影響を最小限に抑えることが可能です。また、剪定した切り口の下からは新しい枝が伸びてくることが多く、これによって再び健康な姿を取り戻せる可能性があります。間延びして形が悪くなったパキラでも、全ての枝葉を丸坊主にするように剪定し、日当たりの良い場所に置くことで、きれいに枝葉が出てきて樹形をリセットすることもできます。
パキラ剪定時期と適切な切り方
パキラの剪定は、植物の生育が活発な時期に行うことが重要です。具体的には、4月から7月の間が剪定の適期とされています。この期間は気温も高く、パキラの生命活動が活発なため、剪定によるダメージからの回復が早く、新芽もすぐに出てきやすいのです。たとえ大胆な剪定を行い丸坊主にしたとしても、この時期であれば再び新しい葉が生えてくるほどの生命力があります。
また、剪定を行う日は晴れた日を選ぶようにしてください。晴れた日は空気中の湿度が低く、剪定した切り口が乾きやすいため、病原菌が切り口から侵入して枯れ込むリスクを軽減できます。雨が降っていたり、湿度が高い日に行うと、切り口が乾きにくく、病原菌が付着しやすくなるため、剪定後に株が弱ってしまう可能性があります。
秋以降、具体的には10月以降に気温が下がり始める時期の剪定は避けるのが賢明です。気温が低いとパキラの生育が緩慢になり、剪定しても新芽がなかなか出てこず、最悪の場合、切り口から枯れてしまう恐れがあるためです。もしやむを得ず秋以降に剪定を行う場合は、最低温度が15℃以上をキープできる環境で行うようにしてください。暖房のつけ消しが頻繁に行われるような不安定な環境での剪定は、避けることをおすすめします。適切な時期に剪定を行うことで、パキラは健康に回復し、美しい樹形を保つことができます。

パキラ剪定、成長点を残す重要性
パキラを剪定する上で、最も失敗しないコツと言えるのが「成長点」を意識することです。パキラの枝には、新芽が出るための大切な部分である成長点が存在しています。この成長点とは、幹や枝の表面に小さな膨らみとして現れることが多く、そこから新しい葉や枝が伸びてくるのです。
剪定する際は、この成長点を残すように枝を切るのが基本的なルールとなります。具体的には、成長点から約2cmほど上の位置で剪定するように心がけてください。もし成長点の位置がはっきり分からない場合は、葉っぱが伸びているすぐ上の部分で切ると良いでしょう。
木質化して硬くなった古い枝からは、新しい芽が出にくい傾向があります。そのため、剪定する際には、なるべく若くて太い枝の成長点を残すように意識すると、剪定後に元気に新芽が出てきやすくなります。小さなパキラの場合、若い枝が一本しか出ていないこともありますが、そのような場合でも若い枝の節が残るように剪定することが大切です。幹の木質化した部分まで成長点を残さずに切ってしまうと、新芽がなかなか出ずに枯れてしまうといった失敗につながる可能性もございます。そのため、たとえ全体をリセットする目的でバッサリ剪定する場合でも、根元に近い節は残すようにしてください。
パキラ剪定の必要な道具
パキラの剪定を安全かつ効果的に行うためには、いくつかの道具を準備しておくことが大切です。適切な道具を使用することで、作業がスムーズに進み、パキラへの負担も最小限に抑えることができます。
まず、最も重要な道具の一つが剪定ハサミです。切れ味の良い剪定ハサミを選ぶことが非常に重要です。切れ味が悪いハサミを使用すると、枝を無理に潰すように切ってしまうことになり、切り口が傷つきやすくなります。傷んだ切り口からは病原菌が侵入しやすくなり、その結果、枝が枯れたり、株全体が弱ってしまったりするリスクが高まります。剪定前にハサミをアルコール消毒しておくことで、病原菌の感染を防ぐことができます。
次に、作業中の安全を確保するために手袋を用意しましょう。パキラの樹液には特に有害な物質は含まれていないと言われていますが、剪定ハサミの刃で誤って怪我をしてしまう可能性も考えられます。そのため、作業中は手袋を着用することをおすすめします。
大型のパキラや、比較的太い枝を剪定する場合には、**癒合剤(ゆごうざい)**の使用を検討してください。癒合剤とは、剪定後の切り口に塗る保護剤のことです。これを塗布することで、切り口から病原菌が侵入するのを防ぎ、また、切り口が乾燥して枯れ込むのを防ぐ役割があります。市販されている癒合剤の中には、殺菌効果が含まれているものもあり、そのようなタイプを選ぶと、より効果的に病害を防ぐことが期待できます。これらの道具を適切に準備し使用することで、パキラの剪定作業を安全に、そして植物に優しく行うことができます。
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パキラ剪定、失敗しないコツで長く楽しむ
- パキラ剪定 図解でわかる切り方
- パキラ剪定後の育て方
- パキラ剪定した枝は水差しで増やす
- パキラをバッサリ丸坊主にしても大丈夫
- 編み込みパキラの剪定と枯れた幹の対処
- 長く楽しむためのパキラ剪定、失敗しないコツ
パキラ剪定の切り方
パキラの剪定は、正しい位置を理解することで、誰でも簡単に行うことができます。剪定の基本的な考え方は、株全体のバランスを整え、風通しを良くすることにあります。まず、剪定を始める前に、どのような樹形にしたいかという完成形をイメージすることが大切です。遠くからパキラを眺めてみて、不格好に見える枝や、他の枝と重なってしまっている部分を見つけてみましょう。
具体的な剪定のポイントとしては、まず幹の下の方から横に飛び出している余分な枝があれば、その付け根から切り落とすことで、幹がすっきりとして全体的な印象が良くなります。次に、株の上の方から飛び出して樹形を乱している枝にも目を向けます。これらの枝を剪定することで、樹形が整い、見た目がより良くなります。
繰り返しになりますが、切る場所は「葉が生えている節のすぐ上」が基本です。

節とは、新芽が出てくる成長点がある部分を指します。もし節と節の間で枝を切ってしまうと、その部分が茶色く枯れ込んでしまい、見た目に影響が出ることがあります。谷奥俊男氏が述べているように、成長点を止めることで、その脇から新しい芽が出てきます。新しい芽が伸びてきたら、不要であれば根元からカットすると良いでしょう。このように、具体的な位置を理解し、イメージしながら作業することで、パキラの剪定はより確実に行えるはずです。
パキラ剪定後の育て方
パキラを剪定した後、新しい健康な芽をきれいに成長させるためには、適切な管理が不可欠です。剪定直後から新芽が伸び始めるまでの期間は、特に注意を払って世話をすることが、失敗しないコツと言えるでしょう。
剪定直後の注意点
まず、剪定直後は切り口をよく乾かすことが大切です。傷口から病原菌が侵入するのを防ぐため、水やりをやや控えめにしてください。土が湿りすぎていると、切り口が乾きにくく、腐敗や病気の原因となる可能性があります。土の表面が乾いてから、少量ずつ水を与えるように心がけましょう。
日当たりと水やり
剪定後のパキラは、直射日光が当たらない半日陰から明るい日陰に置くのが望ましいです。強い直射日光は、葉焼けの原因となることがあります。適度な光を当てることで、新芽の成長が促進されます。水やりについては、土の表面が完全に乾いてから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるのが基本です。受け皿に水が溜まった場合は、根腐れを防ぐために必ず捨ててください。
肥料と風通し
気温が安定してくる生育期(春から夏)には、薄めた液体肥料を月に2回ほど与えると、パキラの回復と新しい成長が促されます。ただし、与えすぎは根に負担をかけることもあるため、規定の量を守ることが大切です。加えて、常に風通しを良く保つことで、蒸れによる病害の発生を効果的に防止できます。これらの管理ポイントを押さえることで、剪定後のパキラは元気に回復し、美しい新芽を伸ばしてくれることでしょう。
パキラ剪定した枝は水差しで増やす

剪定で切り落としたパキラの枝は、そのまま捨てるのはもったいないと感じる方もいるでしょう。実は、これらの枝を利用して「水差し」で新しい株を増やすことが可能です。この方法は非常に手軽で、園芸初心者の方でも比較的高い成功率でパキラを増やすことができます。
挿し木の手順
水差しを行う時期は、剪定と同様に5月から9月の生育期が適しています。まず、剪定した枝の中から、健康で充実しているものを選び、10〜15cm程度の長さにカットします。切り口は斜めにすると、水を吸い上げる面積が広がり、発根しやすくなります。葉が多すぎる場合は、水分蒸散を防ぐために2〜3枚程度に減らすか、葉を半分にカットしてください。また、水に浸かる部分の葉は取り除いておきましょう。
次に、切り口をきれいにするため、水を張った容器に1時間ほど浸して吸水させます。その後、清潔な水を入れた容器に挿し木用の枝を入れます。このとき、枝の2〜3節が水に浸かるように水量を調整してください。水耕栽培用の肥料を少量加えることで、発根を促進することも可能です。
水差しでの管理
挿し穂を入れた容器は、風通しの良い明るい日陰に置くことが大切です。直射日光は避け、レースカーテン越しのような場所に置くと良いでしょう。水は、毎日交換するのが理想的です。水が濁ったり、ぬめりが出たりした場合は、すぐに清潔な水に交換してください。水が腐ると発根を妨げるだけでなく、病気の原因にもなりかねません。
通常、水差しを始めてから2週間ほどで、切り口付近に白いポツポツとした発根の兆候が見られるようになります。3週間から1ヶ月程度でしっかりと根が伸びてくるはずです。根が10cm以上に伸び、数本揃ってきたら、土への植え替えを検討しても良いでしょう。

パキラをバッサリ丸坊主にしても大丈夫
パキラが長期間の剪定をせずに育ち、大きく姿が乱れてしまった場合や、ひょろひょろと間延びしてしまった場合は、思い切って「バッサリ丸坊主」に剪定しても大丈夫です。この大胆な剪定は、樹形をリセットし、茎や葉の生え方を修正する効果が期待できます。
丸坊主剪定の適期
この丸坊主剪定も、一般的な剪定と同様に4月から7月の生育期に行うことが重要です。この時期であれば、パキラの生命力が旺盛なため、剪定による大きなダメージからも比較的早く回復し、残った成長点から力強く新しい芽を吹かせることができます。
切る場所のポイント
バッサリと丸坊主にする場合、基本的には好きな高さで主幹を切っても問題ありません。しかし、成功率を高めるためには、**枝の付け根部分にある「成長点」**を残して切ることが大切です。幹の木質化している古い部分まで剪定してしまうと、成長点がなくなってしまい、新芽が出ずに枯れてしまう可能性も考えられます。特に若い幹であれば新芽が出やすいですが、古い幹は注意が必要です。そのため、根元に近い節の部分をわずかに残して切り落とすようにしましょう。
ひょろひょろとした樹形になってしまったパキラは、株全体が弱っている状態であると言えます。このようなパキラを剪定して切り戻すことで、株の体力を回復させ、より健康で丈夫な株に育て直すことが期待できます。剪定によって一度は葉がなくなりますが、その後出てくる新芽は間延びすることなく、引き締まった健康的な樹形を形成してくれるでしょう。
編み込みパキラの剪定と枯れた幹の対処
編み込みパキラは、その特徴的な幹の姿で人気がありますが、複数株の幹が編み込まれているため、通常のパキラとは異なる管理上の注意点があります。狭い鉢の中で複数の株が競争して生育しているため、中には生育環境に負けて枯れてしまう幹が出てくることがあります。
枯れた幹の対処法
もし編み込みパキラの幹が1本枯れてしまった場合は、その枯れた幹を取り除く必要があります。剪定ハサミやノコギリを使って、枯れた幹の先端から切り取ります。ただし、枯れたばかりで、まだ編み込まれた幹と幹の間に隙間がない状態では、無理に剪定しようとすると、他の健康な幹を傷つけてしまう可能性があります。このような場合は、焦らずにしばらく時間を置きましょう。
枯れた幹が乾燥してくると、自然と他の幹との間に隙間ができてきます。この隙間を利用して、他の幹を傷つけないように優しく上から順に切り取りましょう。最終的には、枯れた幹の根元部分を引き抜くようにして完全に除去します。枯れた幹を取り除いた後は、編み込みに一本分の隙間ができますが、パキラは成長するにつれて、この隙間が目立たなくなることもありますのでご安心ください。また、幹を引き抜いた分の土を足してあげることで、株の安定を保つことができます。
編み込みパキラの剪定は、通常のパキラとは異なり、幹が絡み合っているため慎重な作業が求められます。他の幹を傷つけないよう、十分注意しながら作業を進めることが大切です。
長く楽しむためのパキラ剪定、失敗しないコツ
パキラは、その美しい幹の形と広がる葉で多くの人々に愛される観葉植物です。前述の通り、パキラの寿命は数十年から100年に及ぶと言われており、適切に剪定しながら育てることで、鉢植えであっても50年近く楽しむことが可能です。パキラを剪定し、失敗しないコツを理解し実践することで、あなたのパキラはより長く、そして健康に育ってくれるでしょう。
この記事で解説したパキラ剪定のポイントを再確認することで、あなたのパキラはさらに生き生きとした姿を見せてくれます。

- パキラ剪定は、生育期の4月から7月が最適
- 剪定しないと樹形が乱れ病害虫のリスクが高まる
- 剪定は美観維持と病害虫予防、生育不良のリセットが目的
- 最も大切なのは、新芽の出る成長点を残して切ること
- 成長点から2cm上を目安に剪定する
- 木質化した枝や太い枝は癒合剤で切り口を保護する
- 剪定に必要な道具は剪定ハサミ、手袋、癒合剤
- 剪定ハサミは切れ味の良いものを使い、事前に消毒する
- 不格好な枝や枯れた枝、密集した枝から剪定を始める
- 剪定後は切り口をよく乾かし、水やりは控えめにする
- 半日陰から明るい日陰に置き、直射日光を避ける
- 生育期には液体肥料を与え、風通しを良く保つ
- 剪定した枝は水差しで簡単に増やすことができる
- 水差しは5〜9月が適期で、毎日水を取り替える
- 大きく姿が乱れた場合はバッサリ丸坊主剪定も可能
- 編み込みパキラの枯れた幹は、隙間ができてから取り除く
パキラの剪定は、慣れないうちはドキドキする作業かもしれません。しかし、これらのポイントを押さえることで、自信を持って剪定に挑戦し、あなたのパキラを理想の形に整え、長く健康に育てる喜びを味わうことができるでしょう。
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