アジアンタムは、そよそよと風に揺れる小さな葉が可愛らしく、観葉植物として人気がありますが、「すぐに葉がチリチリになる」「育てるのが難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、アジアンタムを枯らさないコツは、置き場や水やりの頻度に気を付けることです。これらのポイントを押さえれば、初心者の方でも生き生きとした美しい姿を楽しめます。
この記事では、アジアンタムの育て方のコツについて、初心者の方でも失敗や後悔をすることなく育てられるよう詳しく解説します。
この記事を読むことで、以下のポイントについて理解を深められます。
- アジアンタムの基本的な性質と育て方
- 置き場所と水やり頻度の重要な関係
- 葉が枯れてしまったときの対処法
- 植え替えや剪定の具体的な方法
アジアンタムの育て方のコツを紹介!
- アジアンタムはどんな植物?
- 観葉植物の育て方の基本とは
- アジアンタムの置き場はどこ?
- アジアンタムの水やりの頻度は?
- アジアンタムの肥料の与え方
- 植え替えの時期と方法
アジアンタムはどんな植物?
アジアンタムは、シダの仲間で、株状にこんもりと育つのが特徴です。その繊細な葉は、風にそよぐと優雅な雰囲気を醸し出し、室内のインテリアとしても人気があります。大きくなることはなく、デスクや棚の上などちょっとしたスペースに飾るのに適しています。
もともと湿度の高い温暖な地域に自生しているため、乾燥には弱い性質を持っています。この特性を理解し、環境を整えてあげることが上手に育てるための第一歩です。

観葉植物の育て方の基本とは
観葉植物を育てる際は、光、水、そして温度が重要な要素になります。植物の種類によってそれぞれ好みが異なりますが、アジアンタムの場合は、強い直射日光を避け、湿度を高く保つことが特に大切です。
土が乾いてから水を与えるという一般的な観葉植物の育て方とは異なり、アジアンタムは水切れを起こさないよう、こまめな水やりが求められます。この点が、アジアンタムの栽培を難しいと感じる方が多い理由の一つかもしれません。しかし、この特徴さえ押さえてしまえば、決して難しい植物ではないと言えます。
アジアンタムの置き場はどこ?
アジアンタムの置き場所は、生育に大きな影響を与えます。結論から言うと、明るい日陰や半日陰が最適な環境です。これは、もともと森の中で木漏れ日を浴びて生息している植物だからです。
直射日光はアジアンタムの繊細な葉を傷つけ、葉焼けや乾燥の原因となります。このため、南向きの窓際など直射日光が当たる場所は避けてください。窓際に置く場合は、レースカーテン越しに柔らかい光が当たるように調整することが重要です。
一方で、耐陰性が強いからといって、まったく光が当たらない暗い場所も適していません。成長が鈍くなったり、葉の色が薄くなったりすることがあるので、ある程度の明るさは必要です。窓がないお風呂場に置く場合は、時々明るい場所に移動させてあげるとよいでしょう。
アジアンタムは風通しの良い場所を好みますが、エアコンや扇風機の風が直接当たると、乾燥して葉がチリチリになってしまいます。この状態になった葉は元に戻らないため、風の通り道にも注意して場所を選びましょう。

置き場所チェックポイント
項目 | 最適な環境 | 注意点 |
日当たり | 明るい日陰〜半日陰(レースカーテン越し) | 直射日光は避ける(葉焼けの原因) |
温度 | 10℃以上をキープ | 暖房器具の近くや窓際は避ける(乾燥・冷えの原因) |
湿度 | 高い湿度を保つ(50%以上が理想) | 浴室など湿度の高い場所もおすすめ |
風通し | 良い | エアコンやヒーターの風が直接当たらないように注意 |
アジアンタムの水やりの頻度は?

アジアンタムは湿度を好むため、水やりは非常に重要なポイントです。一般的な観葉植物とは異なり、土を乾燥させすぎないように管理しましょう。
春から秋にかけての生育期には、土の表面が乾ききる前に鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。特に夏場は、土がすぐに乾いてしまうため、朝と夕方の涼しい時間帯に1日2回水やりが必要になる場合もあります。鉢皿に水を溜めておく育て方も、根腐れをほとんど起こさないアジアンタムには効果的です。
一方、冬場は生育が緩やかになるため、水やり頻度を少し落とします。土の表面が乾いてから2~3日後に水を与えるのが目安です。しかし、冬の室内は暖房で乾燥しやすいので、水やりは控えめでも、葉水はこまめに行ってください。
葉水は年間を通して行うことで、葉の乾燥を防ぎ、美しい状態を保つことができます。霧吹きで葉全体に水をかけるだけでなく、株元の黒い部分にもかけてあげるとよいでしょう。
アジアンタムの肥料の与え方
基本的にアジアンタムは、肥料が少なくても十分に育つ植物です。シダ植物の仲間であるため、多くの肥料は必要ありません。
もし元気がないと感じた場合は、生育期である春から秋の間に、少なめの肥料を与えてみましょう。具体的には、遅効性の固形肥料を2か月に1回、もしくは薄めの液体肥料を10日に1回程度与えるのがおすすめです。
ただし、肥料の与えすぎは根を傷めてしまう原因となります。そのため、使用する肥料の規定を守り、与える量や時期をしっかり管理することが大切です。冬は休眠期に入るため、肥料は与えないようにしてください。
植え替えの時期と方法
アジアンタムは環境が良ければ成長が早く、鉢の中で根が詰まってしまうことがあります。鉢底から根が出ていたり、水がなかなか土に染み込まなくなったと感じたら、根詰まりを起こしているサインです。このような場合は、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
植え替えの最適な時期は、生育期にあたる初夏から初秋です。植え替えの際は、根を傷つけないよう注意して作業を行いましょう。

植え替えの手順
- 準備:観葉植物用の土、鉢底石、一回り大きい鉢、スコップを準備します。
- 根の準備:アジアンタムを古い鉢から優しく引き抜き、根を傷つけないように古い土を軽く落とします。
- 新しい鉢へ:新しい鉢に鉢底石を敷き、その上に観葉植物用の土を少し入れます。
- 植え付け:アジアンタムを鉢の中心に置き、根の隙間に土を入れ、安定させます。
- 水やり:植え替え後はたっぷりと水を与え、土を落ち着かせます。
アジアンタムを枯らさない育て方のコツ
- 枯れたアジアンタムは復活する?
- 枯れる原因と対処法
- 葉がチリチリになるのはなぜ?
- アジアンタムを増やすには?
- アジアンタムを枯らさないコツは?
- アジアンタムの育て方のコツまとめ
枯れたアジアンタムは復活する?
アジアンタムの葉が枯れてしまっても、根が生きていれば復活する可能性があります。もし、葉がチリチリになってしまっても、その葉が元に戻ることはないので、枯れた葉は元から切り落としてしまいましょう。
その後も水やりを続けることで、新しい葉が出てくることがあります。この方法でうまく新芽が出てきたら、アジアンタムの生育期である初夏から初秋の頃に、株分けして増やすのもおすすめです。
枯れる原因と対処法
アジアンタムが枯れる主な原因は、「根腐れ」と「葉焼け」です。それぞれ異なるサインと対処法があるので、原因を特定して適切に対処することが大切です。
根腐れ 水やりをしているのに元気がない、土がなかなか乾かない、葉が茶色や黄色に変色しているといった症状が見られる場合、根腐れの可能性があります。 対処法としては、新しい土に植え替えることが有効です。水はけの良い観葉植物用の土を使用し、根の環境を改善してあげましょう。
葉焼け 直射日光が当たる場所に置いている、急に暗い場所から明るい場所に移動させたといった場合、葉焼けを起こし、葉がチリチリになることがあります。 対処法としては、直射日光が当たらない場所に移動させたり、遮光をしたりします。葉焼けした葉は元に戻らないため、株元から切ります。全体的にチリチリになってしまった場合は、思い切って2cmほど残して全て切り戻してしまうのも一つの方法です。その後、湿度を保って管理すれば、1カ月ほどで新芽が出てくるでしょう。
葉がチリチリになるのはなぜ?
アジアンタムの葉がチリチリになる最大の原因は「乾燥」です。アジアンタムの葉には保水力がなく、水切れを起こしやすい性質があります。特に、強い日差しやエアコンの風が当たると、すぐに水分が失われてしまい、葉が乾燥してチリチリになってしまいます。
これを防ぐには、土の水切れに注意するだけでなく、こまめな葉水で空気中の湿度を高く保つことが非常に重要です。加湿器を併用することも、葉の美しさを保つ上で効果的です。
アジアンタムを増やすには?
アジアンタムは、株分けによって簡単に増やすことができます。生育期である春から秋にかけて行うのが適しています。
まず、鉢から株を抜き、ハサミやナイフで根鉢を二つに切り分けます。切り分けたそれぞれの株を、別の植木鉢に植え付ければ完了です。植え付けの際は、植え替えの段落で説明した手順を参考にしてください。株を安定させるために、葉を少し減らしてから植え付けると、根に負担がかからず、活着しやすくなります。
アジアンタムを枯らさないコツは?
アジアンタムを枯らさないための鍵は、その繊細な性質を理解し、適切な環境を整えることにあります。
まず、置き場所は直射日光を避け、エアコンやヒーターの風が直接当たらない明るい日陰を選ぶことが大切です。また、アジアンタムは乾燥が大敵なので、土を常に湿った状態に保つことと、こまめな葉水で湿度を高く保つことが重要となります。
これらの注意点を守ることで、アジアンタムは生き生きと育ち、その瑞々しい葉が爽やかな雰囲気を演出してくれるでしょう。
アジアンタムの育て方のコツまとめ

- アジアンタムは直射日光が苦手な植物
- 明るい日陰や半日陰が最適な置き場所
- エアコンやヒーターの風が直接当たらないようにする
- 冬は最低10℃以上を保つ
- 土が乾ききる前にたっぷりと水やりをする
- 鉢皿に水を溜める育て方も有効
- 一年を通してこまめな葉水で湿度を保つ
- 葉がチリチリになるのは乾燥が原因
- 枯れた葉は元から切り落とす
- 根が生きていれば復活の可能性がある
- 植え替えは初夏から初秋に行う
- 根詰まりや根腐れを防ぐために植え替えが必要
- 肥料は生育期に少量与えるだけで十分
- 株分けで簡単に増やすことができる
- 初心者でもポイントを押さえれば育てやすい植物
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